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製作建具『組子障子』納品
玄関の式台の雨染みを何とかしたい。
そんなご依頼からこちらのお宅のリフォーム工事がスタートしました。
式台が綺麗になると障子が今度は気になる…。綺麗な飾り組子をつくる事は出来ますか?とご相談いただきました。
デザイン図面をお持ちすると、障子と合わせて隣接する木建具と縁側奥の木建具も合わせて製作させていただくことに。
玄関正面の顔になる障子にはバランスを考えて『麻の葉』と『紗綾形くずし』をあしらいました。
『麻の葉』は組子障子の中でも代表的なデザインです。
正六角形を基礎にした幾何学文様で、形が麻の葉に似ていることからこう呼ばれます。
その美しいデザインは建築はもちろん、ファッションからグラフィックデザインまで日本を代表する和風文様として世界中に浸透しています。『紗綾形くずし』の文様由来は「不断長久( 絶えることなく長く続く)」という意味があり、家の繁栄や長寿を願う文様です。
紗綾形を少し崩した模様で、変化に富んだ美しさがあります。隣接する板戸には麻の葉より少し柄の大きな『角麻』を配置し、建具屋さんの職人魂が注がれた、品のある板戸に仕上がりました。
建具を取り付けると、他は何も変わっていないにも関わらず、とても美しい空間に。見ている我々も思わず感動で息を呑むほどでした。
昔からの職人技が集約された飾り組子によって、美しさと品のある空間へ生まれ変わりました。